ワイナポトシに挑む!(敗退編)

2日目はベースキャンプからハイキャンプへ。あの雪の下限まで登ります。

色々外付けしていた山道具は、服装を冬仕様にした結果、靴とピッケル以外はザックの中におさまりました。
歩行距離は2〜3時間。きっと大丈夫。

この辺の石は、石灰岩かな。上にいくほど水の色がひどく濁り、荷物を下に置くと粉がつきます。

約1時間ほど登って、簡単な小屋に到着。ここで入山料20ボリビアーノ(約350円)を払います。

マリオがすいすい登るのに対し、数十歩ごとに休憩しながら、景色を楽しみながらゆっくりゆっくり。私いつもこのペースなんだけど、マリオのガイドで本当に楽しく歩いてついていけるか、心配になってきました。

ハイキャンプに到着。今回は、キャンプも他のツアー参加者と一緒。
なんかメンツがやばいんですけど…。100mを走らせたら私より10秒くらい速そうな、欧米の若い男子ばっか。こんな人たちと同じことできるのか??

昼ごはん。前夜と同じくマリオが作ってくれました。が、調子わるい…。頭も痛いし、食欲なし。ただでさえ好まないパサパサ米を、まったく受け付けられません。申し訳ないけどご飯の部分はほぼ残して、一眠りさせてもらいました。

夕飯の時間(17:00頃)にはようやく回復。こちらの香辛料の香りが食欲を削ぐのは変わらないけど、何とか食べられる状態に。
深夜1:00の出発に向け、道具を整理し20:00前には就寝です。といっても、登山客はやる気満々で寝ようとしてるのに、ガイドさんたちのおしゃべりがうるさくて、なかなか寝つけませんでしたが。

さて出発。標準スピードで、頂上まで6時間だそうです。「ゆっくりゆっくりね」と別ツアーのガイドさんが声をかけてくれました。こっちのガイドさんのほうが良かったな…。マリオからゆっくりなんて言葉、聞いたことないよ…。

プラスチックブーツがかなり敵です。重いし踏ん張れない。アキレス腱がおかしくなったりしても登山に普通の海外旅行保険はきかないよなあとか、そもそも準備運動してないじゃんとか、考えていられるうちはまだ良かった。
そのうち10歩ごとに休憩したいところだけど、100歩まで頑張ろうと数を数えるだけになってきました。もう息が切れて切れて…。

ハーネスをつけてるから、前を歩くマリオにぐいぐい引っ張られるし。休ませてって言うと、頂上まで行けないよと繰り返されるし。
もう頂上はいいから、この星空とか雪景色とかラパスの夜景とかを楽しもうよ、と日本語で訴えると通じました。

「じゃあ、ここで引き返そう」となるのを、いやいやそうじゃなくて、「頂上は無理でもゆっくり行けるとこまで行きたいの」という押し問答を3回ほど繰り返し、氷壁の手前へ。
練習のときほど垂直ではないけど、それなりの壁です。もう無理です。ピッケルを掴む力も怪しい。5700メートルで敗退となりました。

下ってるうちにも、だんだんと頭痛と吐き気がしてきます。これが高山病か…。夜明け前、明けの明星がくっきり見えて、「金星を明けの明星だとはっきり感じるのは初めてだな」とか思ったけど、写真とってる余裕なし。ハイキャンプに着いて一眠りして、朝焼けの写真だけおさえました。

やっぱり6000mは半端じゃなかったなと、見上げながら思います。紅二点だったもう1人のフランス人女子も、似たようなところでギブアップして引き返してきたそうです。
8:30頃から、登頂した人たちが続々戻ってきました。

さて、10:00にベースキャンプに車が来るのに合わせて下ります。
プラスチックブーツの後だから、いつもは硬くて重い登山靴が軽く感じます。荷物の重さも、頭痛や息切れもなく、スムーズに下ることができました。標高差でここまで調子が違うのはびっくりです。

途中、ハイキャンプの資材を担いで登ってくる人とすれ違いました。

最後にマリオと記念写真。もうちょっと途中で息を整えさせてくれたら、あと100mくらい上まで登れたと思うんだけどな。感謝と恨めしさと6:4くらいです。
高山病で頭痛がする中で頑張って食べたパサパサ米と香辛料が、このあと完全に苦手になってしまったのは参りました。
あと、ラパスからワイナポトシを見るたびに、挫折感で心がいたむのにも参りました。


次はラパス市内をのんびり観光し、夜行バスでウユニに向かいます。

基本一人旅でいく、山の話と旅の話

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